自宅と隣接地の境界がはっきりしていません。今後に備えて今できる対策はありませんか?
自宅と隣接地の境界がはっきりしておらず、自宅の一部が隣接地に越境している可能性があります。現在は隣接地の方と仲がよいため問題はありませんが、隣接地の持ち主が変わった場合にトラブルになる可能性があると聞き、不安です。
また、境界が曖昧なままだと、自宅を売却するときにスムーズに進まなかったり、私の相続人がトラブルに巻き込まれたりするのではないかと心配です。この状況で今できる対策を教えてください。
今できる対策として、土地の境界確定測量を行うことをお勧めいたします。
境界確定測量とは、土地の面積を測定するのと同時に、すべての隣接地の所有者と立ち合いの上で境界の確認を行う作業です。この測量では、民有地だけでなく、公有地(公道、水路、公園など)が隣接している場合も含めて、正式に境界を確定します。
なお、境界確定測量は、土地家屋調査士が行います。土地家屋調査士は、不動産の物理的状況を正確に登記記録に反映させるために、土地または家屋について、必要な調査及び測量を行う国家資格を保有する専門家です。
境界確定測量を行うことにより、隣接地との越境の有無を確認することができます。越境が確認された場合、本来はその越境を解消することが望ましいですが、建物の一部が越境しているときなど、物理的に解消が難しいこともあります。その場合、隣接地の所有者と以下の内容について「越境に関する覚書」を交わすことが有効な対策となります。
- 境界について、お互いに確認し、合意する。
- 現在越境している部分については、現状のまま使用することをお互いに認める。
- 将来、建物や構築物を建て替える際には、確定した境界を遵守し、相手方の土地に越境しないようにする。
- 土地の相続や譲渡が発生して所有者が変わった場合にも、覚書の内容を引き継ぐことを明記する。
境界確定測量を行うことで、将来的な境界に関するトラブルを回避し、相続人や譲受人が不必要な争いに巻き込まれるリスクを大幅に軽減することができます。
将来の相続に不安のある方は、当事務所までお気軽にご相談ください。
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